夏に見たい作品といえば。
一番に浮かぶのは、細田守監督の「サマーウォーズ」です。
2009年に公開された本作は、夏らしい風景と、当時の「最新の世界」観が表現されています。
仮に本作に準ずる「最新の世界」が実現したとしても、
「家族」という普遍的なテーマを扱っている事から何度でも楽しめる作品であること間違いなし。
私がこの作品を初めに視聴したのは、2015年。
当時、自分の中で細田守ブームがきていました。
時をかける少女、おおかみこどもの雨と雪、サマーウォーズ、バケモノの子、
4作品同時期に視聴しました。
その4作品の中で私がダントツで面白いと思ったのがサマーウォーズ。
数学が得意な男子高校生が、憧れの先輩女子に誘われて大家族が住む田舎に滞在します。
その中で、インターネット上の仮想世界の暴走によって世界が一変し、一家とともに危機に立ち向かうというストーリー。
ヘタレな主人公が徐々に成長していく過程が非常に見ごたえがあります。
以下ネタバレ有************************************************
心に残っているのは、
一度大家族(=陣内家)から追放された侘助が、再び戻り、共闘するシーン。
インターネット上の仮想世界、OZ(オズ)で多くの利用者のアカウントを奪い、暴走する「ラブマシーン」
OZでは、利用の為アカウント登録を行うと、アカウントに現実世界と同じ権限が付与されます。
道路管理者のアカウントを奪うと一帯の信号機の表示をめちゃくちゃにして渋滞を作ることもできます。
この「ラブマシーン」を構築したのが侘助だったのです。
侘助に悪意はなく、AIに知識欲をプログラムしただけと主張しているのですが、
これにより現実世界で大被害が起きており、陣内家から追放されてしまいます。
翌日、栄おばあちゃんの死によって家族が一致団結するにあたり、
侘助が必要になります。
栄おばあちゃんの死を伝え、侘助が戻ってくるところにはとても感動します。
映画の中だけでなく現実世界でも、「力が必要だけどあいつとは因縁があって…!」「あいつとはコミュニケーションがとれない…!」ということが、ときたま訪れるのではないかと思います。
そんな時にも、協力して進めていかないといけないと改めて思いました。
陣内家の場合は、家族の無償の愛の存在も大きかったですが、
栄おばあちゃん、世界の平穏という、2つの共通の「大切なもの」がありました。
関係の薄いチームでは、人と人が協力するためには、この「大切なもの」を共有し、全員の利害を一致させていく作業が必要です。
会社でサラリーマンとして仕事をしていく上で、企業理念に共感したり、部署の業務分掌を確立、目標を定める大切さを改めて感じました。
普遍的なテーマを扱いつつ、夏らしい情緒、アツさ、モラトリアム感も備えた本作。
是非ご覧になって下さい。